我々が発見した赤方偏移z=6(宇宙年齢約9億年)の原始銀河団候補と後の時代(z<6)の原始銀河団を比較し、体積や質量が現代(z=0、137億年)までにどう変化してきたかを調べた。その結果、z=6原始銀河団候補の体積は大きめであるが、質量はz=0-5時代の原始銀河団と似ていた。このz=6天体は銀河団の祖先であり、より小さい体積に質量を集積していきながら、現在の宇宙に見られる銀河団へと進化すると考えられる。これは9億年という初期宇宙でも大規模構造の形成がかなり進んでおり、銀河団の形成も始まっていたことを示す。
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