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2009 年度 実績報告書

宇宙階層構造の進化史における暗黒エネルギーと有限質量ニュートリノの効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20740119
研究機関東京大学

研究代表者

高田 昌広  東京大学, 数物連携宇宙研究機構, 特任准教授 (40374889)

キーワード暗黒エネルギー / ニュートリノ質量 / 暗黒物質 / 重力レンズ / 構造形成
研究概要

神岡の実験などの地上実験により、ニュートリノが質量を持つことが分かっているが、その絶対値は未だ不明である。宇宙の構造形成は、膨張宇宙において暗黒物質の自己重力の不安定性により、暗黒物質の分布におけるゆらぎが成長することで起こる。現在の構造形成の標準的シナリオでは、重力のみで他の粒子と相互作用し、熱的速度が非常に小さい、すなわち冷たい暗黒物質がこの構造形成過程において主要な役割を果たしていると考えられている。このとき、質量を持つニュートリノも重力源の一部を担い、暗黒物質のように振る舞うが、その速度分散は非常に速い、すなわち熱いため、宇宙の階層構造の形成過程について特徴的な痕跡を残す。この理由で、宇宙論データを用いた宇宙階層構造の特徴の測定から、ニュートリノの質量について制限することが可能になり、現時点では宇宙論実験が地上実験よりも厳しい質量の上限を与えている。我々は、この混合暗黒物質モデルにおける構造形成を記述するための解析的理論モデルを構築している。これは、宇宙論における摂動理論を適用したものである。この新モデルにより、ニュートリノの構造形成への影響が、弱非線形段階では増幅されること、またそれにより銀河サーベイからニュートリノ質量を制限する際の精度が改善することを示した。特に、現在進行中の第3期スローンディジタルスカイサーベイのデータおよび計画中の銀河サーベイにこの新理論モデルを適用することにより、数0.1eV程度(95%C.L.)の精度でニュートリノ質量に上限を与えることが可能なことを示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Nonlinear power spectrum in the presence of massive neutrinos : perturbation theory approach, galaxy bias and parameter forecasts2009

    • 著者名/発表者名
      S.Saito, M.Takada, A.Taruya
    • 雑誌名

      Phys.Rev.D80 80

      ページ: 083528-1-30

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Impact of Non-Gaussian Errors on Weak lensing Surveys2009

    • 著者名/発表者名
      M.Takada, B.Jain
    • 雑誌名

      MNRAS 395

      ページ: 2065-2086

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Simulations of Wide-Field Weak Lensing Surveys I : Basic Statistics and Non-Gaussian Effects2009

    • 著者名/発表者名
      M.Sato, et al.
    • 雑誌名

      Astrophys.J. 701

      ページ: 945-954

    • 査読あり
  • [学会発表] HSCサーベイで発見される重力レンズ銀河カタログとTMT2010

    • 著者名/発表者名
      高田昌広
    • 学会等名
      日本天文学会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2010-03-26

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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