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科学研究費研究員2年目に行われた研究は次のようなものである。
1. 我々は標準模型を超える自由度によってCasimir力がどのように変化するかを調べた。ナノメートル領域のCasimir力を測定することを目標として現在行われている高精度実験において特に重要となる研究である。
我々はブレーンを含む高次元模型におけるCasimir力への補正を計算する新しい方法を提案し、実験において起こりえる制限を議論した。
2. 格子ゲージ理論の手法を用い、近似的に共形な振る舞いを見せるゲージ理論の性質を調べた。これは昔から知られる自発的対称性の破れに変わるものとして本質的な要素になる。
我々は格子上でゲージ理論の結合定数の変化を計算する新しいスキームを開発し、quenched QCDの場合にそれを適用した。この研究は現在進行しているところである。
格子理論にゼータ関数正則化を初めて導入することを提案している。
3. LHC実験の文脈におけるマイクロブラックホールの重要性に起因して、AdS/CFT対応を用いて高次元ブラックホールの様々な性質を解明した。
田中と私の研究に基づき、樫山、棚橋と共同でAdSブラックホール時空におけるCFTのエネルギー運動量を評価し、量子論的な反作用の問題に取り組んだ。
事象の地平面を持たないCFT平衡形状が、どのようにブラックホール形状に変化していくかを記述し、系の熱力学を調べると同時に、AdS/CFT対応が高次元ブラックホールとどのように関係しているかを示した。
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