●低エネルギー(電弱相互作用)の領域で、ゲージーノ質量が縮退している現象は、これまでに考慮されて来なかった新たな超対称性の観測可能性を生む。超共形変換のアノマリー効果が存在する系において、縮退が実現する一般的な条件を導出した。また、縮退したスペクトラムは、低エネルギー領域の観測値によってのみ決まり、あたかもゲージ結合定数に対する中間領域の閾値補正が無いように振る舞うことを明らかにした。さらに閾値の存在による縮退の安定性や、超重力理論の枠組みにおける縮退条件の力学的実現を考察した。 ●ニュートリノの世代混合の実験値は、世代空間において整列した真空構造を強く示唆している。これに対し、高次元空間における境界条件を用いた真空整列の新しい機構を提唱した。これまでの4次元における複雑なポテンシャル構成を必要とせず、かつ余剰次元空間の無矛盾条件から、真空整列の方向も少数に限られる可能性を指摘した。 ●レプトンの世代混合角はTri-bimaximal型と呼ばれる特徴的な構造で非常に良く近似される。レプトンの質量行列がカスケード型と呼ばれる形状である場合について、もたらされるさまざまな現象(フレーバーの破れやバリオン数生成等)の解析をおこなった。
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