1.右手型ニュートリノが5次元時空を伝播する場合に、シーソー機構を通じた将来実験における検証可能性を追究した。とくにLarge Hadron ColliderおよびInternational Linear Colliderの2つの加速器実験における3レプトン終状態のモードに注目した。昨年度までの解析に加えて、新たにレプトンの世代構造を取り入れた重点的な数値解析をおこない、シーソー機構・右手型ニュートリノ・余剰次元の観測可能性を考察した。 2.近年の宇宙線観測衛星実験における反粒子線束の観測により、ダークマターの存在が示唆されている。宇宙年齢より長い寿命で崩壊するダークマターを考えた場合、寿命とニュートリノ質量の間に、大統一理論を通じた強い関連性を見出した。ダークマターは、ニュートリノ質量を与えるモジュライ場(小質量・大期待値)、もしくはゲージ一重項フェルミオンであり、世代を司る非可換離散対称性との関わりと陽電子線束の評価をおこなった。 3.前年度までの結果を受け、シーソー機構の高次元実現をさらに追究した。特徴的に生み出されるニュートリノの質量パターンや、レプトン世代混合角との対比を詳細に解析してゆくことによって、実現可能性や観測可能性の議論へつなげる結果が得られ、論文にまとめて発表した。
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