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2008 年度 実績報告書

ゲージ・重力対応における可積分性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 20740142
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

酒井 一博  慶應義塾大学, 経済学部, 助教 (10439242)

キーワード素粒子論 / 数理物理学 / 弦理論 / 共形場理論 / 可積分系 / AdS / CFT対応 / エンタングルメント
研究概要

1. 反ド・ジッター時空を背景に持つ重力理論と共形対称性を持つゲージ理論との等価性を主張するAdS/CFT対応は、近年弦理論の分野で最も盛んに研究されているテーマである。特にこの5年ほどの間に、2次元可積分模型の理論を用いることでAdS/CFT対応の予想が非常に精密に検証できるようになってきた。日本物理学会誌の記事ではこのAdS/CFT対応の最近の発展と可積分模型とのかかわりについて、最新の成果まで含めた解説を行った。また、AdS/CFT対応の舞台である弦理論、超対称ゲージ理論双方において、弱結合領域における一般解を構成し、任意の解についてAdS/CFT対応を確立した研究代表者の過去の研究に基づき、学会講演にて解説を行った。
2. 二つの異なる場の理論同士を隔てる境界はインターフェースと呼ばれる。中でも2次元共形場理論のインターフェースとして現れる共形インターフェースは、共形場理論における境界、欠陥(defect)の一般化にあたり、近年脚光を浴びている。この共形インターフェースを介して接する二つの共形場理論のあいだの相関の度合いを表す指標として、エンタングルメントエントロピーを求めた。最も基本的なc=1共形場理論においては、インターフェースが透過性パラメータを持ち、エンタングルメントエントロピーにもパラメータ依存性が現れる。数値計算を用いて近似的にこの依存性を求める試みが過去にあったが、我々は初めて解析解を得ることに成功した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Entanglement through conformal interfaces2008

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Sakai and Yuji Satoh
    • 雑誌名

      Journal of High Energy Physics 0812 : 001

      ページ: 0-13

  • [雑誌論文] 解説 : ゲージ理論・弦理論対応と可積分模型2008

    • 著者名/発表者名
      酒井一博
    • 雑誌名

      日本物理学会誌 63巻第7号

      ページ: 524-531

  • [学会発表] AdS/CFT対応における一般解の構成2009

    • 著者名/発表者名
      酒井一博
    • 学会等名
      日本物理学会第64回年次大会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2009-03-29

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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