研究概要 |
今回の解析方法を採用するにあたり、終状態がK^+K^-Ksの崩壊過程(f_0Ks,χ_<c1>,Ks,K^+K^-Ksなど)を全て集め、K^+Ksの不変質量とK^-Ksの不変質量の平面(ダリツ平面という)上での分布を密度関数として全ての崩壊過程に対して用意し、その干渉も正確に見るということを行うことになる。この際、最も重要なことは、終状態がK^+K^-Ksとなるあらゆる崩壊を全て見つけていかないといけないということだと思われる。特に、K^+K^-が共鳴状態からの崩壊によるものは、その振幅にCPの破れをもつものとなる。よって、ダリツ平面内に新たな共鳴状態がないかをチェックを行い、以前崩壊分岐比の測定で発見された共鳴状態以外に、有意な崩壊過程は発見されなかった。これらを使用して、最尤法に用いる確率密度関数を決定し,モンテカルロシミュレーションを用いたテストを行った。また、2009年にBelle実験で収集された全データを、データの精度の向上のため再処理することになった。そこで、この再処理がダリツ平面を用いたCP非対称性の測定に与える影響を調べたところ、CPの破れの測定精度の向上は無視できないほど大きいことが分かった。そこで、この再処理後のデータを使用して、CP非対称性の測定を行うことになった。
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