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2010 年度 実績報告書

中性子過剰な炭素同位体の集団性及び陽子魔法数の出現

研究課題

研究課題/領域番号 20740163
研究機関大阪大学

研究代表者

王 恵仁  大阪大学, 核物理研究センター, 助教 (80462670)

キーワード中性子過剰核 / 四重極集団性 / 魔法數 / 荷電変化断面積
研究概要

研究代表者らは中性子過剰な炭素同位体において新しい陽子魔法数が出現する可能性を突き詰めるために、炭素同位体及びその周辺原子核の陽子分布半径を決定する新しい実験手法を開発している。これまで、不安定核の陽子分布半径の測定法としてアイソトープ・シフト測定法が用いられて来たが、陽子分布半径を決定する際に理論情報として必要なマス・シフトの計算精度の限界のため、この手法はZ≦4及びZ≧11の原子核にしか適用できない。この問題点を克服するために、我々は荷電変化断面積の測定を行い、グラウバー模型を用いて陽子分布半径を決定する手法に着目した。荷電変化断面積測定による実験手法が確立されれば、5≦Z≦10の原子核に限らず、人工的に生成しにくく、アイソトープ・シフト測定法では測定が困難な不安定核でも荷電半径の決定が可能になる。
平成21年度に行った最初の測定に引き続き、平成22年度には、実験セットを改善してBe、B及びC同位体の荷電変化断面積を測定した。^<10,11>Be同位体について解析を行った結果、アイソトープ・シフト測定の結果と定性的に一致することが分かった。今後、^<12>Be及び中性子過剰な炭素同位体についての解析を行い、陽子分布半径の新しいデータを提供できると考えている。以下では、これらの新しいデータの意義について述べる。^<16,18>Cについて、研究代表者らが行った先行実験から、B(E2)が異常に小さく、中性子と比較して陽子の四重極集団運動への寄与が異常に小さい結果を得た。これは安定核近傍で見られる、原子核内の陽子と中性子はほぼ同じ四重極集団性を示す、という常識に反する結果である。^<16,18>CのB(E2)異常の一解釈として新しい陽子"魔法数"Z=6の出現が挙げられているが、それは、^<16,18>Cを含めた炭素同位体及びその周辺原子核の陽子分布半径の決定によって明らかになると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ^<14>Be(p, n)^<14>B reaction at 69 MeV in inverse kinematics2011

    • 著者名/発表者名
      Y.Satou, (他28名、21番目)
    • 雑誌名

      Physics Letters B

      巻: 697 ページ: 459-462

    • 査読あり
  • [雑誌論文] β-decay half-lives of very neutron-rich Kr to Tc isotopes on the boundary of the r-process path : An indication of fast r-matter flow2011

    • 著者名/発表者名
      S.Nishimura, (他48名、38番目)
    • 雑誌名

      Physical Review Letters

      巻: 106 ページ: 052502-1-052502-5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Low-lying level structure of the neutron-rich nucleus ^<109>Nb : A possible oblate-shape isomer2011

    • 著者名/発表者名
      H.Watanabe, (他48名、32番目)
    • 雑誌名

      Physics Letters B

      巻: 696 ページ: 186-190

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Low-lying intruder state of the unbound nucleus ^<13>Be2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Kondo, (他30名、19番目)
    • 雑誌名

      Physics Letters B

      巻: 690 ページ: 245-249

    • 査読あり
  • [学会発表] Search for an evidence of the tensor force at high momentum2010

    • 著者名/発表者名
      H.J.Ong
    • 学会等名
      International Symposium on Nuclear Physics in Asia
    • 発表場所
      Beihang University(中国・北京)
    • 年月日
      2010-10-14

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公開日: 2012-07-19  

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