研究課題
本研究では、宇宙線反粒子(とりわけ反重陽子)の高感度観測によるダークマターの間接探索を目的に、エキゾチック原子の崩壊過程を利用した新しい反粒子同定手法に基づく測定器(GAPS)の開発を進めている。低エネルギー反粒子を測定器のターゲット中で捕捉し、それにより生じる励起エキゾチック原子の崩壊過程にて発生する特性X線やパイ粒子などを検出することで反粒子を同定する、という手法である。平成20年度は、測定器の基本的な設計検討を行った。特に、計算機による数値シミュレーションを用いて測定器中のX線検出器、荷電粒子用シンチレータ、ターゲット物質などに要求される性能条件を詳細に調べ、粒子測定器の構成、バックグラウンドリジェクション、探索感度、などに関する検討を行った。また、X線検出器や太陽電池電源システムに関する熱設計を行うとともに、放熱機構の候補材料を購入し、その基本特性を実験室レベルで評価検討した。また、米国の共同研究者や国内の同分野研究者との研究打合せを行い、今後の研究の進め方などに関する知見を獲得した。研究の内容や成果は学術雑誌や学会にて発表した。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)
Advances in Space Research 41
ページ: 2056-2060
Journal of Physics (Conference Series) 120
ページ: 042011