研究課題
本研究では、宇宙線反粒子(とりわけ反重陽子)の高感度観測によるダークマターの間接探索を目的に、低エネルギー反粒子の測定器(GAPS)の開発を進めている。反粒子の同定手法は、低エネルギー反粒子を測定器のターゲット中で捕捉し、それにより生じる励起エキゾチック原子の崩壊過程にて発生する特性X線やパイ中間子などを検出することで反粒子を同定する、という全く新しい手法を導入する。平成21年度は、前年度の研究結果を踏まえ、引き続き測定器の基本設計の検討を進めた。特に、気球搭載型GAPSのペイロードのシステム設計に関する検討を重点的に行った。ペイロードの姿勢制御に必要な絶対方位角センサーを、GPSを活用して開発を進めた。GPS信号の処理システムとそれを格納するハウジングの開発も行い、気球環境への耐性を実験室レベルで評価検討した。この他、ペイロード各サブシステムの評価試験としての予備的な気球実験を立案し、その実験内容の検討も行った。米国の共同研究者とは、米国にて研究打合せを行った他、日本国内の気球実験の実験場所の調査も行った。国内の関連分野の研究者との研究打合せも重ね、今後の研究の進め方などに関する知見を獲得した。研究の内容や成果は学会にて発表した。
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