アンダーソン局在の発見以来現在に至るまで、乱れた電子系の量子物性は物性物理学における重要課題となっている。また、電子間相互作用が生み出す磁性・超伝導・金属絶縁体転移などの多彩な現象は物性物理学における中心課題である。現在、アンダーソン局在・強相関電子系の両分野において、電子相関とランダムネスの協奏により生じる興味深い現象が次々と発見され、精力的な研究が続けられている。しかし、理論的に未解明な問題が多いのが現状である。 ここには未開拓な分野が広がっており、多くの理論研究者の興味を惹きつけている。しかしながら、具体的な取り組みは少ない。その主な理由は、問題の難しさそのものにあると思われる。しかし、近年の計算機性能の向上と、電子相関を取り扱う理論的手法の発展により、強い乱れを含む系の微視的計算も可能となっている。本研究課題では、そのような理論的研究の発展に取り組んでいる。
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