研究概要 |
[1] 光誘起ホール効果の発見 : 我々は円偏光のもとでDirac粒子がホール効果を発現する可能性を世界に先駆け発見した(Phys. Rev. B"Photovoltaic Hall effect in graphene")。この光誘起ホール効果は既存のホール効果とは全く異なり非線形久保公式に基づき予言され、電子の獲得する非断熱ベリー位相(Aharonov-Anandan位相)によって理解できる。さらに、我々は実験によってこの現象を検証する方法についても提案を行った。 [2] 光誘起朝永=Luttinger液体の発見 : 一次元モット絶縁体におけるポンプ・プローブ分光実験により強相関電子系における光誘起金属状態について理解するためにAC電場中のハバードモデルの時間発展を時間依存密度行列繰り込み群を用いて計算した。その結果、「光誘起朝永=Luttinger液体」と呼ばれる新しい非平衡強相関系特有の量子状態が実現していることを見いだし学術誌Phys.Rev.B"Photo-induced Tomonaga-Luttinger-like liquid in a Mott insulator"にて発表した。 [3] 非平衡量子モンテカルロ法の開発 : 非平衡系において相図を決定する上で重要な役割をすると期待される非平衡動的平均場理論、特にその中核となる不純物モデルに対する量子モンテカルロ法の効率化について研究を行った。P.Werner(ETH), A.Millis(Conlumbia)との共同研究であり、結果はPhys.Rev.B"Diagrammatic Monte Carlo simulation of non-equilibdum systems"にて発表した。
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