研究課題
イオン液体による遷移金属化合物への高密度キャリア注入の前段階として、イオン液体を、有機トランジスタへ適用する可能性を検討した。イオン液体をゲート絶縁体として用いた有機単結晶電界効果トランジスタを作製し、その基本性能を評価したところ。1)低電圧駆動 イオン液体を用いた有機FET(有機単結晶にrubrene)を作製したところ、非常に弱い電圧(約0.2V)でトランジスタとして動作することが分かった。従来の有渡FETに比べて100〜500分の1程度の電圧で動作する。2)高い電荷移動度 電荷移動度を求めると、電気二重層を用いた有機FETの中で最大値(9.6cm^2/Vs)を示すことが分かった。この値は、今まで報告されている有機トランジスタの電荷移動度の最大値の半分程度の値であり、実用化に十分耐えうる値であることが分かった。3)高速スイッチング イオン液体の電解容量の周波数依存性を測定したとこと、0.1Hzから1MHzまで幅広い周波数について、高い電解容量(キャパシタンス)を持つことが明らかになった。このことは、イオン液体は高周波においても電気二重層を形成し、有機半導体に多くのキャリア注入(高容量化)が可能になることを示唆する。イオン液体を用いた有機FETは高速なスイッチング性能をも兼ね備えていることを明らかにした。
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