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2009 年度 実績報告書

量子アニーリングの大規模系に対する基礎付けと量子スピングラスへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 20740225
研究機関青山学院大学

研究代表者

鈴木 正  青山学院大学, 理工学部, 助教 (30391999)

キーワード物性理論 / 統計力学 / 計算物理 / 量子計算
研究概要

本研究課題は1.量子アニーリングの有効性を基本的な模型を用いて明らかにし、2.量子アニーリングをスピングラス模型に応用することを目的としている。本年度の成果は以下の通りである。
1.量子アニーリングの研究では、ハミルトニアンに含まれるパラメターをゆっくり時間変化させることに注意が集まってきたが、今回我々は瞬間的にパラメターを変化させる場合の系の時間発展に注目して研究を行った。瞬間的にパラメターを変化させることは、状態を断熱的に時間発展させてターゲットの状態を得るという量子アニーリングの本来の目的からすると無駄である。しかし、巨視的な系が量子力学に従ってどのような緩和をするか、という観点からとても興味深い。今回、研究代表者はイタリアのグループと共同で、1次元横磁場イジング模型において横磁場を瞬間的に変化させた場合の系の時間発展を調べた。1次元横磁場イジング模型は可解模型であって、その特殊性からキンク密度という物理量は特徴的な時間スケールを持たずに平衡値に収束(非熱化)することがわかった。この成果は可解模型における物理量の熱化・比熱化に関する一般論を作る際の足がかりになるはずである。(arXivにて閲覧可、Phys.Rev.Bに投稿中。)
2.スピングラスへの応用については数値計算を行うための準備を行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Density of kinks after a sudden quench in the quantum Ising spin chain2010

    • 著者名/発表者名
      S.Suzuki, D.Rossini, G.E.Santoro
    • 雑誌名

      arXiv 0910.4055(Phys.RevBに投稿中)

  • [雑誌論文] Quantum-Thermal annealing with a cluster-flip algorithm2009

    • 著者名/発表者名
      S.Morita, S.Suzuki, T.Nakamura
    • 雑誌名

      Phys.Rev.E 79

      ページ: 065701(R)(4)

    • 査読あり
  • [学会発表] Kitaev模型のクエンチダイナミクス2010

    • 著者名/発表者名
      引地匠
    • 学会等名
      日本物理学会第65回年次大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2010-03-22
  • [学会発表] Quench Dynamics of the Quantum Ising Chain2009

    • 著者名/発表者名
      Sei Suzuki
    • 学会等名
      Dynamics and Manipulation of Quantum Systems 2009
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2009-10-14
  • [学会発表] 横磁場イジング模型における量子クエンチとキンク密度の時間発展2009

    • 著者名/発表者名
      鈴木正
    • 学会等名
      日本物理学会2009年秋季大会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2009-09-26

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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