本研究の目的は、電磁勇気透明化(EIT)を用いた光量子メモリの研究である。 本年度は2モードスクイーズド光を研究した。この光は高速で振動する揺らぎの成分である。この光では信号を高周波で取り出せるので低周波ノイズに強い。また、スペアナなどの簡便な装置で検出できるようになるため、応用に有利である。 量子光学の理論を適用すると、2モードスクイーズド光は2つの独立した揺らぎによることがわかった。また、2色を用いたEITではその一方を保存・再生できることがわかった。そこで実際に実験を行い、2つの揺らぎの一方だけが保存・再生されていることを確認した。 また、EITを用いたスクイーズド光の保存・再生効率の向上を図った。保存媒体である冷却ルビジウム原子の密度が上がるように調製し、EITがより起こるようにした。また、スクイーズド光発生装置が不安定だったのを改善した。保存対象の光パルスには、本来光があるべきではないところにも余計な光が漏洩していたのでこれを遮断した。この結果、保存・再生されたスクイーズド光の大きさが0.2dBだったのもが、0.4dBまで上昇した。
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