研究課題
本研究では、量子もつれ光子対を利用し、量子情報通信を効率化する新たな手法を確立し、高効率で雑音耐性のある安定な長距離量子情報ネットワーク構造の基礎を築くことを目標とする。雑音耐性のある量子もつれ光子対配信の効率化の方法を理論的に追求し、できるだけ簡便、効率的かつ汎用な方法に完成させることが第一の目標である。本年度はその第一歩として雑音耐性のある量子もつれ光子対配信の原理検証となる実験を成功させ、英国光科学誌の最高峰であるNature Photonlcs誌への論文投稿にこぎつけた。これにより量子もつれ光子対を補助的な光子を用いて、より大きな状態空間へ符号化し、雑音による擾乱をうまく回避する新しい方法が可能であることが示された。これを更に発展させるためには雑音耐性のある状態の見直しやより効率的な方法が重要となってくる。このために本年度は更に量子もつれ光子対を利用した雑音耐性のある量子情報通信の高効率化に関する理論的研究についても行ってきた。通信路に損失がある場合にはこのような通信法は非効率的であると考えられるが、これを効率化する方法として強いレーサー光を用いる方法を考え、実現可能な方法を検討し、これを元により実用的て効率的な方法を探究した。これらの成果発表及び情報収集のために精力的に学会参加を行った。また、実験を行うために光子検出装置のタイミング制御装置を準備し、その動作確認を行った。
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New Journal of Physics 2
ページ: 023024-1-10
Nature Photonics 2, 488-491 (2008) 2
ページ: 488-491