研究課題
本研究では、(1)従来のトップダウン型微細加工法に分子の自己組織化を利用したボトムアップアプローチを融合させたハイブリッド型微細加工技術の開発(2)本手法を用いたナノギャップ電極の作製、(3)ナノギャップ間に高い電気伝導が期待されるπ電子系分子を架橋させた複合ナノ接合を作製し、ゲート電極を利用した分子のポテンシャル制御による単分子内におけるキャリア輸送特性機構の解明を目指す。特に、電極材料として超伝導を用いることにより、超伝導電流と量子ドットのエネルギー準位や分子軌道とのカップリンクに伴う新規なキャリア伝導機構の探査と量子デバイス応用への展開を模索する。H22年では、前年度確立したハイブリッド型微細加工法により、ギャップ幅~10nm程度の超伝導(Nb)ナノギャップ電極の作製に成功し、電極間に直径10nm程度の金微粒子(量子ドット)を配置させた超伝導単電子トランジスタの作製を試みた。Nbの転移温度(Tk=9K)以下で測定した電流-電圧測定では、電極の超伝導状態を確認し、単電子輸送特性の観察に成功した。加えて、電極と微粒子を繋ぐアンカー構造として、様々なアルキル鎖やπ電子系分子を用いた結果、π電子系分子による結合が接合抵抗の低減化に有効であることを見出した。これらの知見は、超伝導電流と量子準位のカップリングにおいて、それらを結ぶアンカー構造の設計が極めて重要であることを示唆している。
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Japanese Journal of Applied Physics special Issue
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