骨格筋ミオシン1分子から多分子への階層化に伴うシステム機能発現の解明

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20740238
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 生物物理・化学物理
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 茅 元司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (00422098)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2009
• キーワード: 生物物理

研究概要

生体内環境に近い多分子が共存するフィラメント上における、骨格筋ミオシン1分子の力学特性を捉える事を試みた。ミオシン1分子のスティフネスを計測し、ミオシンの硬さには異方性があることを示した。力を出す方向に引っ張ると硬くなって力を出し易く、反対方向に押すと紐のように柔らかくなり、反発力を軽減する機構があることがわかった。この計測から、筋肉の中で力を出し終えたミオシンが、他の分子の力発生の妨げになることを回避するための巧みな1分子力学特性があることが判明した。

研究成果

• [学会発表] 1分子ナノ計測による骨格筋ミオシンの力発生機構 (2010)
  • 著者名/発表者名: 茅元司樋口秀男
  • 学会等名: ナノ学会第8回大会
  • 発表場所: 岡崎カンファレンスセンター
  • 年月日: 2010-05-14
• [学会発表] Non-linear elasticity of single skeletal myosin is an essential mechanical property of muscle contraction. International Society of Biomechanics XXII Congress (2009)
  • 著者名/発表者名: Motoshi Kaya, Hideo Higuchi
  • 学会等名: Cape town
  • 発表場所: South Africa
  • 年月日: 2009-07-04
• [学会発表] 量子ドットを用いた1分子ナノ計測によりわかってきた骨格筋ミオシンの非線形弾性と力発生へのその役割 (2009)
  • 著者名/発表者名: 茅元司樋口秀男
  • 学会等名: ナノ学会第7回大会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2009-05-10
• [学会発表] Stroke size of single skeletal myosin changes with loads due to non-linear elasticity of myosin (2008)
  • 著者名/発表者名: Motoshi Kaya, Hideo Higuchi
  • 学会等名: Gordon Conference
  • 発表場所: MA USA
  • 年月日: 20080631
• [学会発表] 骨格筋ミオシン2分子から多分子化にともなう運動の変化 (2008)
  • 著者名/発表者名: 茅元司
  • 学会等名: タンパク質2分子計測ワークショップ
  • 発表場所: 東京大学
  • 年月日: 2008-12-09
• [学会発表] 骨格筋ミオシンのステップサイズは負荷に伴い減少する (2008)
  • 著者名/発表者名: 茅元司樋口秀男
  • 学会等名: 第46回日本生物物理学会年会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2008-12-04
• [学会発表] 組換単頭ダイニン2分子のステップサイズは広く分散する (2008)
  • 著者名/発表者名: HoaAnh Nguyen茅元司昆 隆英島 知弘須藤和夫樋口秀男
  • 学会等名: 生体運動合同班会議
  • 発表場所: 仙台
  • 年月日: 2008-01-08