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2008 年度 実績報告書

夏季東アジアモンスーン陸域における雲・降水活動の季節内変動の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20740268
研究機関名古屋大学

研究代表者

藤波 初木  名古屋大学, 地球水循環研究センター, 助教 (60402559)

キーワードアジアモンスーン / 梅雨前線 / 季節内変動 / 亜熱帯ジェット気流 / チベット高原
研究概要

本課題は、夏季東アジアモンスーン陸域の中国東部(長江・淮河流域)と北部(黄河流域)の雲・降水活動の季節内変動と、その変動に対する要因を解明することを目的としている。本年度の研究実記は下記の通り。
1. 中国長江・淮河流域の雲・降水活動の時系列解析により、同領域の雨季(メイユ期)には、雲・降水活動に数週間(7〜25日程度)時間スケールの明瞭な季節内変動が存在することを見いだした。この季節内変動は、同領域で発生する梅雨(メイユ)前線の変動と前線上のメソスケール擾乱の動態と密接に関係していることが明らかになった。季節内変動をもたらす要因としては、夏季ユーラシア大陸上の亜熱帯ジェット気流上に発達するロスビー波の変動が大きく寄与している。また、同じ時間スケールの雲・降水活動の季節内変動でも、要因となる波の東西波長により、波の雲・降水活動への寄与の仕方が異なることが示された。さらに、これらの雲・降水活動の変動にはチベット高原の存在も大きく寄与していることがわかった。
2. 中国黄河流域の雲・降水活動の時系列解析により、長江・淮河流域と同様に明瞭な季節内変動があることが確認された。また、その要因として、中緯度亜熱帯ジェット気流上のロスビー波が重要であることが分かった。
従来これら領域の雲・降水活動の季節内変動には亜熱・亜熱帯域の循環場の変動が重要であるとされてきた。本研究では、むしろ中緯度大気の変動の寄与が大きいことを示し、本来、熱帯と中緯度大気の相互作用系の中で発生する東アジア陸域モンスーンの雲・降水変動の理解に大きく貢献した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The Effects of Midlatitude Waves over and around the Tibetan Plateau on Submonthly Variability of the East Asian Summer Monsoon2009

    • 著者名/発表者名
      Fujinami. H. and T. Yasunari
    • 雑誌名

      Monthly Weather Review (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] Intraseasonal and Interannual Variability of Rainfall over Bangladesh during Summer2009

    • 著者名/発表者名
      Fujinami, H. Hatsuzuka, D., T. Yasunari and T. Hayashi
    • 学会等名
      International MAHASRI/HyARC workshop on Asian Monsoon
    • 発表場所
      ベトナム. ダナン
    • 年月日
      20090305-07
  • [備考] 印刷中論文のURL(AMSのweb上に掲載された年月日 : 2009年2月2日)

    • URL

      http://ams.allenpress.com/perlsery/?request=get-abstract&doi=10.1175/2009MWR2826.1

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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