PCMDIより配布されている地球温暖化将来予測モデルの20世紀再現実験とSRES-AIBシナリオによる21世紀将来予測実験を検討した結果、多くのモデルは20世紀中における海面更正気圧の長期変動を再現しておらず、近年のシベリア高気圧の弱化傾向を過少評価している一方、アリューシャン低気圧の活動度の強調は再現していた。モデル内における寒気の蓄積頻度は観測のそれに比べ過小で、地表付近の寒気の再現が気候モデル内において系統的に弱いことが確認された。 今後は観測データにおける寒気蓄積の長期変動と、気候モデル内における長期トレンドを高解像度気候モデルのデータを用いて検討するとともに、研究成果の公表に向けた作業を行う。
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