• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

地球温暖化による降水量変化予測の排出シナリオ依存性

研究課題

研究課題/領域番号 20740274
研究機関独立行政法人国立環境研究所

研究代表者

塩竈 秀夫  独立行政法人国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, NIES特別研究員 (30391113)

キーワード気候変動 / 気象学
研究概要

大気海洋結合モデルを用いた地球温暖化予測実験において、温室効果ガス濃度とエアロゾル排出量のシナリオ(排出シナリオ)が異なると、単位気温変化あたりの全球平均降水量感度が変わることが近年しめされてきた。しかし降水量感度が何故排出シナリオに依存するのかは明らかになっていない。本研究では、降水量感度が排出シナリオに依存する要因を解明することを目的とする。
昨年度は、エアロゾルの第1種、第2種間接効果を陽に扱うことのできる大気海洋結合モデルを用いて、外部要因(温室効果ガス、硫酸性エアロゾル、炭素性エアロゾル、対流圏・成層圏オゾン)を個別に与えた数値実験を行い、どの外部要因が降水量感度の排出シナリオ依存性をもたらすかを明らかにするための準備を行ってきた。
本年度は、昨年度に実行した数値実験結果を分析し、温室効果ガスとエアロゾルの強制力に対して、それぞれ気温が1℃変化したときの降水量感度が異なることを示した。排出シナリオごとに温室効果ガスとエアロゾルによる放射強制力の割合に差があるため、降水量感度に排出シナリオ依存性が生じている。さらに、温室効果ガスとエアロゾルで降水量変化率が異なる原因を、地表面熱収支、および大気大循環論的な視点から明らかにした。また、エアロゾルの第2種間接効果による降水量に対する影響を定量的に診断する新手法を開発した。その結果、炭素性エアロゾルによる降水量減少のうち、約1/3が第2種間接効果による瞬時影響(フィードバックを含まない影響)であることも明らかになった。これらの成果は、外部強制力に対する降水量応答を理解する上で、新たなフレームワークを提供している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Emission scenario dependency of precipitation on global warming in the MIROC3.2 model2010

    • 著者名/発表者名
      Hideo Shiogama, Seita Emori, Kiyoshi Takahashi, Tatsuya Nagashima, Tomoo Ogura, Tom Nozawa, Toshihiko Takemura
    • 雑誌名

      Journal of Climate 23

      ページ: 2404-2417

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi