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2008 年度 実績報告書

北太平洋西部亜寒帯域における渦の挙動とその生物生産場への影響

研究課題

研究課題/領域番号 20740277
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

上野 洋路  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究センター, 研究員 (90421875)

キーワード北太平洋亜寒帯域 / 海洋中規模渦 / 海洋生物生産 / アラスカンストリーム
研究概要

衛星海面高度計データ・再解析風応カデータなどを用いて、アラスカ湾西部で形成されるアラスカンストリーム渦の形成・伝播メカニズムを調べ、さらに衛星海面クロロフィルデータ解析により、渦の生物生産場への影響について検討した。
まず、アラスカンストリーム渦の形成域における風応力変動を調べ、アラスカンストリーム渦が負の風応力カールによるアラスカンストリームの不安定化で形成されることを示唆した。さらに渦伝播速度について詳細な解析を行い、アラスカンストリームによる移流の効果は小さく、地形性ベータ効果の寄与が大きいことを指摘した。
次に、アラスカンストリーム渦の海面クロロフィル濃度への影響を検討した。渦が存在する場合と存在しない場合の平均海面クロロフィル濃度分布図を作成したところ、渦が存在しない場合はクロロフィル濃度がアラスカンストリーム沿いのみで高く、北太平洋中西部沖合域では極めて低い値となった。これは過去の研究でも指摘されている北太平洋亜寒帯域の生物生産の特徴を示す結果である。それに対して渦が存在する場合のみで平均した場合、高クロロフィル濃度は北太平洋中西部沖合域においても観測され、アラスカンストリーム渦が沖合域での生物生産に重要な役割を果たしていることが示唆された。
個々の渦とクロロフィル濃度分布との関係を調べてみたところ、アラスカンストリーム渦の存在により高栄養塩・高クロロフィル濃度のアラスカンストリーム水が南方へ運ばれ、北太平洋中西部沖合域に高クロロフィル濃度をもたらしていることが示された。特に渦が南北に連なった場合、高クロロフィル濃度分布の南方への張り出しは遠方に及ぶことが分かった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Anticyclonic eddies in the Alaskan Stream2009

    • 著者名/発表者名
      Hiromichi Ueno
    • 雑誌名

      Journal of Physical Oceanography (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] Impact of Alaskan Stream eddies on chlorophyll distribution in the western and central subarctic North Pacific2008

    • 著者名/発表者名
      Hiromichi Ueno
    • 学会等名
      North Pacific Marine Science Organization (PICES) 17th Annual Meeting
    • 発表場所
      ケンピンスキーホテル(中国、大連)
    • 年月日
      2008-10-30
  • [学会発表] アラスカンストリーム渦のクロロフィル分布への影響2008

    • 著者名/発表者名
      上野 洋路
    • 学会等名
      2008年度日本海洋学会秋季大会
    • 発表場所
      呉国際大学(広島県呉市)
    • 年月日
      2008-09-26
  • [学会発表] Anticyclonic eddies in the Alaskan Stream

    • 著者名/発表者名
      Hiromichi Ueno
    • 学会等名
      The 3rd Argo Science Workshop: the Future of Argo
    • 発表場所
      浙江賓館(中国・杭州)

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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