研究課題
2008年1-3月期および2009年1-3月期に極冠域光学観測によって得られたパッチの移動速度データの中から、長時間に渡って電離圏・磁気圏対流がモニターできている事例を抽出しイベントリストを作成したうえで、サブストームオンセットの前後で電離圏・磁気圏対流がどのように変動するのかを調べている。現状では、リストアップした数例のイベントにおいて、オンセットの後に電離圏対流が増大していることが判明している。並行して、解析にもちいる対流データの正確性を検証するために、パッチの移動速度データの惑星間空間磁場依存性に関して統計的な解析を行った。その結果、パッチの移動速度は惑星間空間磁場の南北成分・東西成分に依存していることが分かり、パッチの移動速度を用いて電離圏・磁気圏対流を精度よくモニターできることが示されている。今後、イベントリストの中でTHEMISがサブストームの観測に適切な配位になっているものを抽出し、尾部における様々な物理プロセス(リコネクション、磁場の双極子化等)が起こる時刻とサブストームオンセットの時刻、そして磁気圏対流の時間変化を比較する。これによって、サブストームにつながる尾部の局所的なプラズマダイナミクスと尾部全体の巨視的対流の間の時間的関連性を明らかにしていく。
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Journal of Geophysical Research 115
ページ: doi:10.1029/2009JA014599
Geophysical Research Letters 36
ページ: doi:10.1029/2009GL037512
Journal of Geophysical Research 114
ページ: doi:10.1029/2008JA014020