研究概要 |
本研究は, 北西太平洋の日本東方沖で採取された深海底コア試料を用いて, 第四紀の黒潮-親潮混合水域の古環境変動の復元とメカニズムの解明を目的としている. 平成20年度は, 地球深部探査船「ちきゅう」の下北半島沖慣熟航海コア試料CKO6-06902-C9001Cから抽出した底生有孔虫について酸素炭素同位体比測定を行い, 同コアの酸素同位体層序を確立した. その結果を, 古地磁気層序ならびに微化石層序の結果と組み合わせ, C9001Cコアの年代モデル構築のための解析を行った. また, 本科研費で購入した実体顕微鏡Zeiss Stemi 2000Cを用いて, 有孔虫化石の抽出と分類・同定, 計数作業を進め, 解析のためのデータとした. その結果, 更新世の浮遊性有孔虫示準種1種について, その終産出層準を特定した. 以上の結果, C9001Cコアの年代と堆積速度がほぼ明らかとなり, 次年度以降, 同コアが記録する古環境情報を抽出・解析するための基礎を固めることができた. 本研究で得られた成果については, 国内学会・研究集会にて報告した.
|