研究概要 |
本研究は,微小大陸が集合する東南アジア地域の造山帯に対して,温度・圧力・時間条件を推定し,大陸衝突域ごとの特徴を見出すことを目的とした.インドシナ・南中国小地塊境界域では,非常に高温・高圧の変成岩が卓越し,地下深部への大陸の沈み込みが生じたことを示唆する.その沈み込み年代は主にペルム紀後期であった.一方,インドシナ・シブマス小地塊境界域に産する変成岩の温度・圧力条件からは,大陸沈み込みの証拠が認められず,衝突年代はトリアス紀後期であった.これらは,パンゲア超大陸形成イベントの中で,狭い範囲においても年代のギャップや衝突形態が異なることを表す.
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