| 研究概要 |
研究期間内に, 本研究はタービダイト逆解析手法を確立し, 得られた手法で地層中のタービダイトを解析する. そのために, I)タービダイト逆解析手法の開発, II)逆解析手法の検証, III)逆解析手法の地層への適用, という3つのステップで研究を進めていく. 本年度は, 逆解析を行うために必要な順問題を解くモデル(フォワードモデル)の検討, およびモデル計算と現実の地層の比較を行う関数の設定を行った. 結果として, (1)デルタ堆積物におけるハイパーピクナル流タービダイトの逆解析, および(2)平衡海底谷の内部を流れる混濁流の水理条件逆解析, に成功したことが本年度の成果である. ハイパーピクナル流に関してはすでに既存の確立されたフォワードモデルを応用したが, モデル計算と現実の地層を比較するモデル評価関数は完全にオリジナルの成果である. さらに, 平衡海底谷に関しては今までに無いモデルを提案し, それが現実の海底谷(釧路海底谷)に良く適合することを証明した. これらの成果はすでに学会発表済みであり, 次年度初めには学術誌に投稿する予定となっている.
また, 関連する研究として, 水中重力流の内部構造を明らかにし, 論文を投稿・受理された. さらに, 混濁流の挙動を明らかにするために水槽実験を行い, 混濁流自己加速現象について新たな制約条件を得ることが出来た. この成果は2本の論文にまとめ, すでに受理済みである. これらの研究は重力流のフォワードモデルを発展させるために重要な成果といえる.
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