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2009 年度 実績報告書

岩石間隙水中の溶存シリカの拡散特性

研究課題

研究課題/領域番号 20740308
研究機関大阪大学

研究代表者

横山 正  大阪大学, 理学研究科, 助教 (60403101)

キーワード拡散 / 溶存シリカ / 間隙水 / 砂岩 / 流紋岩
研究概要

ケイ素は岩石の主要構成元素であり,岩石間隙水中の溶存シリカの拡散特性を理解することは,岩石・水相互作用を考える上で非常に重要である.溶存シリカは,溶液のpHによって化学形態が変化する.岩石間隙水中の溶存シリカの拡散係数と化学形態との関係を調べるために,フォンテーヌブロー砂岩(ほぼ100%石英)と,多孔質流紋岩を用いて,pH6, 9.5, 11において透過拡散試験を行った.各pHにおける溶存シリカの化学形態は,pH6ではほぼ全て電気的に中性な単量体のSi(OH)_4, pH9.5ではSi(OH)、とSiO(OH_3^-が支配的で両者の割合が約1:1, pH 11では4量体のSi_4O_6(OH)_6^<2_>などが支配的と考えられている.溶存シリカの拡散係数(有効拡散係数)は,pH6と比較してpH 9.5では1~3割大きく,pH 11では2倍以上大きかった.また,溶存シリカの拡散係数と,従来拡散係数の報告例が多いイオンの値とを比較するために,K^+とCl^-の拡散係数も測定した.その結果,pH6やpH9.5における溶存シリカの拡散係数はK^+やCl^-の値より小さかったが,pH11における溶存シリカの拡散係数はK^+やCl^-の値と近い値であった.本研究では,拡散源の溶存シリカ濃度は,いずれのpHでも非晶質シリカに対して不飽和であるが,石英に対しては過飽和である.したがって,岩石間隙中では,間隙表面で溶存シリカの収着が起こっている可能性がある.ただし,pH6~11では間隙表面は負に帯電しているため,マイナスの電荷を持つ溶存種は収着しにくい.収着が起こると,拡散係数は見かけ上小さくなる.これらのことが,pHが上がるほど溶存シリカの拡散係数が大きくなった原因と考えられる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 岩石間隙水中の溶存Siの拡散特性2010

    • 著者名/発表者名
      横山 正
    • 学会等名
      第十回 微生物-鉱物-水-大気相互作用研究会
    • 発表場所
      東京大学 本郷キャンパス 理学部1号館
    • 年月日
      2010-03-19
  • [学会発表] 岩石間隙中の物質輸送と反応~流紋岩の風化の例~2009

    • 著者名/発表者名
      横山 正
    • 学会等名
      日本鉱物科学会2009年年会
    • 発表場所
      北海道大学 学術交流会館
    • 年月日
      2009-09-08

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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