研究課題
南極セールロンダーネ山地で採取した高度変成岩試料の解析を進めて、(1)岩石種ごとのモナザイトの年代値の比較、(2)岩石種ごとの変成条件の精密な解析、を組み合わせることによって、山地中央部のアウストカンパーネ地域の変成プロセスの特徴とその時間軸との関係を明らかにした。また、その研究成果を地球惑星科学連合大会、鉱物科学会年会、英国エジンバラで開催されたMAPT(Micro-Analysis,Process&Time)国際会議で発表した。また同地域に産する変成岩類における加水作用に伴う石英中のTiの挙動についての共同研究の成果を共著論文(第2著者)として公表した。南極ラウエル諸島に産する超高温変成岩試料のU-Pb年代測定と希土類元素分析の解析結果を英国エジンバラで開催されたMAPT(Micro-Analysis, Process & Time)国際会議で発表した。また、同地において、共同研究者のサイモン・ハーレー教授と今後の解析の方針について研究打ち合わせをおこなった。南極リュツォ・ホルム湾に産する片麻岩中のザクロ石中のリンの組成累帯構造と共生するリン酸塩鉱物の関係を検討した結果をとりまとめて共著論文(第2著者)としてJournal of Mineralogical and Petrological Sciences誌に投稿し、近々掲載される予定である。独国Geo Forschungs Zentrumのダニエル・ハルロフ博士を日本学術振興会の外国人招へい研究(短期)で国立極地研究所に招へいし、南極とのつながりが指摘されているインド南部の太古代ダールワール岩体(タミール・ナドゥ地域)に産する花崗岩質片麻岩中のジルコンのU-Pb年代測定ならびに変成作用における副成分鉱物の振る舞いに関する共同研究をおこなった。その初期データを現在とりまとめ中である。
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Polar Science 3
ページ: 222-234