研究概要 |
次世代半導体材料として期待されている炭化ケイ素への新しいイオン注入技術であるパルスイオン注入法を実現するためには、高純度の大電流パルス重イオンビームが必要である。本研究では、主に新しい高純度・大電流パルス重イオンビーム発生技術である両極性パルス加速器の開発を行った。両極性パルス電圧[-100kV,70ns]+[+100kV,70ns]をドリフト管(加速管)に印加したとき、1段加速ではイオン電流密度~40A/cm^2、パルス幅~30ns、2段加速ではイオン電流密度~10A/cm^2、パルス幅~30nsというパルスイオンビームを得ることができた。また、飛程時間差法からイオン種、エネルギーを評価した結果、特定のイオン種(窒素イオン)のみが加速されていることがわかった。この結果から、パルス重イオンビームの多段静電加速を実証することができた。
|