研究概要 |
A.回転が束縛されたヒドリンダセンユニットで構成される3次元的によく定義された方向への構造修飾性をもつマクロサイクルの構築 H21年度は、マクロサイクルの鉛直方向に種々の官能基を導入する目的でヒドリンダセン誘導体の4,8位への構造修飾を検討し、MeO, Br, CN, CONH2, thienyl, aryl, styrylなど多様な置換基導入に成功した。さらにこれらを出発原料とすることでMeO, Br, Styryl基がそれぞれ置換されたマクロサイクルを合成した。 Br置換マクロサイクルにおいてはユニット数が2~4となるマクロサイクルが得られ、いずれもX線構造解析により構造を明らかにした。2,3量体は目的とするベルト状構造が形成されている一方、4量体においてはバスタブ型構造を取っていることが明らかとなった。また、3量体は結晶中でマクロサイクルがほぼ完全に垂直に重なり、空孔内に溶媒分子を内包するるチャネル構造を形成していることがわかった。 Styryl置換ヒドリンダセン誘導体は溶液中、固相中で高い量子収率をもって蛍光を発することがわかり、マクロサイクル形成後でもユニット間の相互作用は小さく、効率的な発行を示すことが明らかとなった。
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