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2008 年度 実績報告書

カチオン種による多重結合の活性化を用いた新規炭素-炭素結合形成反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20750026
研究機関千葉大学

研究代表者

松本 祥治  千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50302534)

キーワード合成化学 / ヨウ素 / 光反応 / ベンゼン誘導体 / 環境調和
研究概要

これまでに、6-アリール-3-トシル-1-メチルチオ-1, 3-ヘキサジエン-5-イン化合物が光照射下ヨウ素との反応によってヨードベンゼン誘導体を生成することを見出している。本研究では多重結合である三重結合の反応性に注目し、その活性化に重要な置換基の効果について検討した。
3位のトシル基をアリール基であるフェニル基および電子求引性の4-トリフルオロメチルフェニル基にかえた化合物について、合成および反応性を検討した。その結果、いずれの化合物においても1Z, 3E体においてのみ環化反応が進行して望む炭素-炭素結合形成を伴ったヨードベンゼン誘導体の生成が確認された。しかしながら、その反応性はトシル基が置換したものに比べると低く、このことから3位への強力な電子求引性置換基の導入が重要であることを明らかにした。3位にアリール基が置換した化合物についても光を照射することで環化に適した異性体(1Z, 3E体)の比率を増大させることが可能であり、とくに4-トリフルオロメチルフェニル基を導入した化合物に対して光照射を行いながらヨウ素溶液を滴下することによってヨードベンゼン誘導体の収率を向上させることが可能であった。
さらに、1位のメチルチオ基についても注目し、3位をトシル基、1位にアルコキシ基を有する誘導体に対してヨウ素による環化反応を検討した。アルコキシ基としてエトキシ基を導入した化合物に対してヨウ素との反応を検討した結果、ヨウ素の添加によって速やかにアルコキシ部位の加水分解が進行してしまうことがわかった。このことから、1位をアルコキシ基とすることで、ヨウ素が5位の三重結合ではなく1位の二重結合を活性化してしまうことが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Synthesis and physical properties of various organic dyes derived from a single core skeleton, 1, 2-dihydroindol-3-one2009

    • 著者名/発表者名
      S. Matsumoto, D. Samata, M. Akazome, K. Ogura
    • 雑誌名

      Tetrahedron Lett 50

      ページ: 111-114

    • 査読あり
  • [学会発表] アルキン部位とチオビニル部位間での炭素-炭素結合形成によるヨウ素置換芳香族化合物の生成反応2008

    • 著者名/発表者名
      松本祥治, 木村真人, 西村仁宏, 小倉克之
    • 学会等名
      第35回有機典型元素化学討論会
    • 発表場所
      首都大学東京(東京)
    • 年月日
      2008-12-11
  • [学会発表] 3-アリール-1-メチルチオ-1, 3-ヘキサジエン-5-インのヨウ素分子によるヨードベンゼン誘導体生成反応2008

    • 著者名/発表者名
      松本祥治, 西村仁宏, 小倉克之
    • 学会等名
      第11回ヨウ学会シンポジウム
    • 発表場所
      千葉大学(千葉)
    • 年月日
      2008-11-07
  • [学会発表] Formation of Iodobenzene Derivatives from 1-(Methylthio)-1, 3-hexadi-en-5-ynes : The effect of Aryl Group at the 3 Position2008

    • 著者名/発表者名
      S. Matsumoto, H. Nishimura, K. Ogura
    • 学会等名
      International Meeting on Fluorinated-Peptide Chemistry
    • 発表場所
      お茶の水女子大学(東京)
    • 年月日
      2008-11-04

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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