研究課題
本研究では、通常では高分子と呼ばれるようなサイズ・分子量の単分散化合物を精密に分子設計して合成・単離し、さらにそれらを組織化することによって高次の機能を引き出すことを目指す。これまでには不可能とされてきたサイズの有機分子の構造・物性をダイナミックに制御でき、有機合成化学の立場から高分子化学の分野にまたがる新たな研究領域を開拓できる。本研究でな環状に規則正しく配列した超巨大環状ポルフィリンを構築する。また、ポルフィリン分子ワイヤーを巨大リング状ポルフィリン(光捕集ユニット)によって包摂化し、得られた複合体の光物性を精査する。一般に、巨大分子の反応性は通常の低分子量の有機化合物とは異なることが多く、これを自在制御することによるメリットは計り知れない。生体高分子の分子量に迫る巨大な有機化合物を自在に精密合成する研究は、有機合成のポテンシャルを大きく広げる非常に重要な課題であり、斬新かつチャレンジングなテーマである。本研究で取り上げる巨大ポルフィリンは、純粋に有機合成化学的に構築する光合成アンテナ複合体といえる世界で初めての化合物群でありその学問的意義は大きい。本年度は、o-フェニレン架橋ポルフィリンの鈴木一宮浦カップリングによる合成法を確立した。これは巨大環状ポルフィリン合成への重要な足がかりとなる。この結果について論文報告した(印刷中)。
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