研究概要 |
本年度は, マイクロ波を利用し, モノリス型シリカキャピラリーカラムの調製時間の短縮を図った。キャピラリーカラムの調製法について, ゾルゲル反応過程とメソポア生成過程の, 2過程に分け, 反応時におけるマイクロ波の照射条件を検討した。調製したキャピラリーカラムは, 走査型電子顕微鏡(SEM)でのモルフォロジー観察とHPLCシステムにより芳香族化合物を分離することで評価し, 比較した。 ゾルゲル反応過程とメソポア生成過程に分けて, 温度優先制御と出力優先制御により, それぞれマイクロ波照射時間を変え, カラム性能ならびにモルフォロジーについて, マイクロ波を照射しない常法と比較することにより検討した。その結果, ゾルゲル反応過程においてマイクロ波照射の効果が現れ, とくに出力優先制御(300W)で1時間照射した際には, 短時間にもかかわらず高性能なキャピラリーカラムが調製できることを見出している(常法では24時間がかかっていた)。 これに対し, ゾルゲル反応過程において温度制御でマイクロ波を照射した場合には, 明らかな効果は観察されないこと, また, メソポア生成過程ではマイクロ波照射の効果が現れないことを見出している。 また, 出力制御でマイクロ波を照射する際には温度の変化を自動的に制御できないため照射中に冷却などの操作が必要であった。
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