研究概要 |
本研究では、膨大な遺伝情報を簡便かつ迅速に解析するために、「高選択的で高感度、ハイスル-プットでかつ酵素フリ-なSNP解析」システムの確立を目的とした。 質量分析の対象をDNAではなく,より良好なイオン化効率を有する金属錯体にすることで、高感度化を目指した。ルテニウム及び白金が有する特徴的な同位体存在比を質量タグとして利用することで、標的の情報のみを分離操作なしに簡便に得ることができると考え、これらのコンセプトを取り入れたプローブを設計し、合成を行った。 1.ルテニウム錯体P_ODNコンジュゲートの合成 当初、ルテニウム錯体-システイン(側鎖SHはモノメトキシトリチル基保護)コンジュゲートのカルボン酸活性エステルを合成し、これと末端アミノ化ODNとのカップリング反応により目的とするプローブの合成を液相で行う予定であったが、ルテニウム錯体-システインコンジュゲートの反応牧率が低く、単離が難しかったため、システイン-ODNコンジュゲートを合成し、その後ルテニウム錯体を導入する事で目的とするプローブを得る事に成功した。 2.金錯体_ODNコンジュゲートの合成 白金錯体-システイン-アルギニンコンジュゲートのカルボン酸を合成し、これと固相上の末端アミノ化ODNとの縮合反応により目的とするプローブの合成を行った。合成したプローブは逆相HPLCにて単離した。MALDI-TOFMSにより質量分析を行った結果、目的物の理論値と同じ値を得たため、コンジュゲートの合成に成功したと考えられる。
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