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2008 年度 実績報告書

遷移金属触媒による水素ーホウ素交換反応を基軸とした高効率分子変換

研究課題

研究課題/領域番号 20750076
研究機関京都大学

研究代表者

大村 智通  京都大学, 工学研究科, 講師 (00378803)

キーワード合成反応 / カスケード反応 / 官能基化 / 有機ホウ素化合物 / 有機ケイ素化合物 / 遷移金属触媒 / 結合形成
研究概要

二重結合の幾何異性や連続する不斉炭素中心の立体化学を高度に制御しながら複数の結合形成を達成するカスケード型反応の開発を目的として、触媒的な水素-ホウ素交換反応を基軸とするカスケード反応系「不飽和炭化水素の遠隔ビスメタル化」の開発に取り組んだ。交付申請書に記載の「研究項目1. 遷移金属触媒による水素-ホウ素交換反応および水素-ケイ素付加反応の検討」において、モデル基質を用いた水素-ホウ素交換反応の反応条件最適化を行った。触媒金属や配位子、反応温度、溶媒等について検討した結果、電子供与性の弱いトリス(p-トリフルオロフェニル)ホスフィンを配位子に有する白金触媒を用い、トルエン中80℃で反応を行うことにより効率よく水素-ホウ素交換反応が進行し、多置換アルケニルホウ素化合物が収率よく生成することを見出した。次にケイ素-水素の分子内付加について検討を行ったところ、トリメチルホスフィンを配位子に有するロジウム触媒存在下テトラヒドロフラン中室温において効率よく反応が進行し、環状シリルエーテルを良好なジアステレオ選択性で与えたのに対し、白金触媒では十分なジアステレオ選択性を得ることができないことが明らかとなった。これらの知見を基に、交付申請書に記載の「研究項目2. 触媒的カスケード遠隔ビスメタル化の開発」においては、白金とロジウムの二種の触媒系を段階的に適用し検討を行った。対称型の1,4-ペンタジエン-3-オール誘導体および1,6-ヘプタジエン-4-オール誘導体を基質に用いて反応を行ったところ、二段階の反応によりそれぞれ1,5-位および1,7-位にボリル基とシリル基が立体選択的に導入された遠隔ビスメタル化生成物を収率よく得ることに成功した。これらの知見は、精密な構造制御と多様な誘導体合成への応用が可能な、鎖状分子骨格の新しい構築法確立に資すると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Stereoselective Synthesis of cis-β-Methyl- and Phenyl-Substituted Alkenylboronates by Platinum-Catalyzed Dehydrogenative Borylation2009

    • 著者名/発表者名
      Toshimichi Ohmura, (他3名)
    • 雑誌名

      Angew.Chem.Int.Ed. 48

      ページ: 2372-2375

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Silylboranes as New Tools in Organic Synthesis2009

    • 著者名/発表者名
      Toshimichi Ohmura, (他1名)
    • 雑誌名

      Bull.Chem.Soc.Jpn. 82

      ページ: 29-49

    • 査読あり
  • [学会発表] 多元素が関与する触媒サイクルの精密制御:シリルボランと不飽和有機分子の反応2009

    • 著者名/発表者名
      大村智通
    • 学会等名
      第5回有機元素化学セミナー
    • 発表場所
      京都大学化学研究所
    • 年月日
      2009-02-19
  • [学会発表] シリルボランの新反応化学:炭素-炭素不飽和結合への触媒的精密元素導入2008

    • 著者名/発表者名
      大村智通
    • 学会等名
      平成20年度第1回有機金属若手研究者の会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2008-09-27
  • [備考]

    • URL

      http://www.sbchem.kyoto-u.ac.jp/suginome-lab/jp/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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