研究課題
1. 相補的相互作用を用いた官能基位置配向制御星型ポリマーの合成と機能非共有結合性のイオン結合は、溶媒のpHにより可逆的に結合を生成及び切断できる。そこで、イオン結合など極性官能基に耐性のあるルテニウム触媒によるリビングラジカル重合を用い、直鎖状枝ポリマーをイオン性自己組織化ジビニル化合物(架橋剤)で架橋することで、核に切断可能なイオン結合を導入した星型ポリマーの合成を検討した。実際、長鎖PEGを有する塩素型マクロ開始剤をメタクリル酸と2級ジアミンによりイオン結合させたジビニル化合物で架橋すると、pHに応じて分解可能な星型ポリマーをone-potで簡便に収率よく(>75%)得ることができた。これは、従来のポリイオンコンプレックスミセルとは異なった新規pH分解可能型ポリマーとして大変興味深く、今後pH分解性を利用することで、各種応用展開や、従来困難であったミクロゲル核の構造や特徴を解明することが可能と期待できる。2. キラル配位子モノマーを用いた金属錯体担持不斉星型ポリマー触媒星型ポリマーのミクロゲル核は、架橋構造を有するにも関わらず、周囲を多数の溶解性枝ポリマーで覆われているために完全に溶解し、一方で外界から隔離されたナノサイズの空間であるため、この核空間を触媒反応場として用いることは大変興味深い。そこで、ルテニウム触媒によるリビングラジカル重合により、不斉ジアミン配位子存在下、直鎖状枝ポリマーを架橋させることで、Ru触媒をミクロゲルに直接導入すると同時に、one-potで不斉Ru錯体含有ミクロゲル星型ポリマー触媒を合成した(収率一90%)。得られた星型ポリマーは、核内不斉Ru錯体に由来するUV並びにCDスペクトルを示した。また、この星型ポリマー触媒を用いたケトンの不斉還元反応も検討した。
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