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2010 年度 実績報告書

リボ核酸を利用した界面活性剤自己組織体の形態制御と機能化

研究課題

研究課題/領域番号 20750102
研究機関金沢大学

研究代表者

太田 明雄  金沢大学, 物質化学系, 准教授 (10324104)

キーワード膜 / 組織体 / 界面活性剤 / RNA
研究概要

RNAと界面活性剤から形成される複合体の形態制御を目的とし,種々の検討を行った。
昨年度から引き続き,グルタミンを骨格としたカチオン界面活性剤の合成を検討した。本年度は水系でも利用可能なトリアジン型縮合剤を利用する方法を応用することで,目的の界面活性剤の合成が達成できた。しかしながらRNAとの複合体形成への応用までは達成できておらず,今後更に検討していく予定である。
また市販の汎用カチオン界面活性剤として,アミド基を有するアミンオキシド型界面活性剤(LAO)を用いて,tRNAとの複合体形成挙動をpHの観点から系統的に検討した。LAOのpKaは約4.5であり,このpHを境に低pH側ではカチオン界面活性剤が,逆に高pH側では非イオン界面活性剤が優先種となる。まずRNAとの臨界会合体形成濃度(CAC)を検討したところ,pHの増加とともにCACは増加し,pH=6.5以上では複合体形成は認められなかった。このことから界面活性剤とRNAの静電相互作用が複合体形成に必要であることが確認された。しかしながら恒温滴定型熱量計にて,会合定数と会合エンタルピーを測定したところ,会合定数はpH=5.5までは,逆にpHの増加によって増大した。LAOは系内に存在するカチオン型がRNAと相互作用して複合体を形成するものと思われるが,更に界面活性剤濃度を上げていくと,残りの非イオン型LAOも複合体形成に関与してくるものと思われる。また結合エンタルピーは,低いpHでは発熱的であったが,pH=5.5ではその符号が反転し,吸熱へと変化した。結合定数の値と比較すると,pKaを越えた高いpH領域では,非イオン型LAOを含めた多くの界面活性剤が結合する結果,RNAの分子内水素結合の低下をもたらし,その結果RNAの二次構造が大きく乱されていることが考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] カルニチン型両性界面活性剤のDNAとの複合体形成2010

    • 著者名/発表者名
      竹本廉, 太田明雄
    • 学会等名
      日本化学会近畿支部平成22年度北陸地区講演会と研究発表会
    • 発表場所
      富山大学(富山県)
    • 年月日
      2010-11-19
  • [学会発表] Adsorption and Aggregation Behaviors of Nucleic Acids with pH-Sensitive Surfactant2010

    • 著者名/発表者名
      嶋直人, 太田明雄
    • 学会等名
      NCSS 2010
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県)
    • 年月日
      2010-09-21

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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