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2009 年度 実績報告書

双安定性金属錯体を用いた環境応答型インターフェイスの創製

研究課題

研究課題/領域番号 20750106
研究機関京都大学

研究代表者

古川 修平  京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 特任准教授 (90452276)

キーワード金属錯体 / 自己組織化 / 環境応答性 / インターフェイス / 配位結合 / 多孔性配位高分子 / センサー / 界面接合
研究概要

本研究課題「双安定性金属錯体を用いた環境応答型インターフェイスの創製」は、ボトムアップ的手法を最大限に利用し、二次元表面上を舞台とした新しい物性及び機能の発現を目的としている。特に配位結合の結合柔軟性、自己組織化能を利用し、常温、常圧で多様な環境に応答する自己組織化インターフェイスの創出を目指している。平成21年度における研究では、多孔性配位高分子結晶を金属膜でコートした水晶振動子上に固定しすることで、非常に高い環境応答性を付与することを目的とした。銅とトリメシン酸からなる多孔性配位高分子錯体結晶をナノサイズ化することに成功し、その結晶サイズを制御しながら金でコートした水晶振動子に固定することに成功した。環境制御可能な水晶振動子マイクロバランスを開発し、その環境応答制(センサー応答)に関する研究を行った。測定は室温、常圧で行い、検出する有機溶媒蒸気の分圧をキャリアーガスであるヘリウムに対して変化させることにより行った。多孔性配位高分子結晶を固定することにより、多くの有機溶媒蒸気に対して、極低圧(数百ppm)においても鋭いセンサー応答をすることに成功した。さらには結晶のサイズ依存性についても研究を行った。結晶サイズが約800nmの比較的大きな結晶と、約200nmの小さな結晶をもちいて測定を行ったところ、極性溶媒(メタノール)においては結晶サイズに関係ない鋭いセンサー応答を示した。一方で非極性溶媒(ヘキサン)においては、小さな結晶においてはメタノールと同様の鋭い応答を示したのに対し、大きな結晶では結晶内拡散が遅いため飽和状態に達するまで長い時間が必要になることが明らかになった。この研究により、ナノサイズの多孔性配位高分子結晶を用いることで有機溶媒蒸気に対する応答制を大きく改善することに成功した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] Nanoporous Nanorods Fabricated by Coordination Modulation and Oriented Attachment Growth2009

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Furukawa, Takaaki Tsuruoka, Susumu Kitagawa, 他3名
    • 雑誌名

      Angewandte Chemie International Edition 48

      ページ: 4739-4743

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A block PCP crystal : anisotropic hybridization of porous coordination polymers by face-selective epitaxial growth2009

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Furukawa, Kenji Hirai, Susumu Kitagawa, 他5名
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      ページ: 5097-5099

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Electrochemical reactions at a porphyrin-copper interface2009

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Furukawa, 他5名
    • 雑誌名

      PhysChemChemPhys 11

      ページ: 5422-5430

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Two-Leg Molecular Ladders Formed by Hierarchical Self-Assembly of an Organic Radical2009

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Furukawa, 他13名
    • 雑誌名

      Journal of Americal Chemical Society 131

      ページ: 6246-6252

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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