研究概要 |
種々の2構成分子を組み合わせることにより、発光性超分子ホストシステムの構築を行った。 1. 光学活性超分子ホスト発光体の創製を指向して、(1R,2S)-2-amino-1,2-diphenylethanolと2-thiophenecarboxylic acid, 2-thienylacetic acid, 3-thiophenecarboxylic acid, 3-thienylacetic acidを組み合わせたところ、一次元ヘリカルカラム骨格を有する光学活性超分子ホスト錯体の創製に成功した。ゲストアルコール分子は、ヘリカルカラム骨格によって形成されたチャンネル型空孔内に一次元的に包接されており、蛍光特性を示した。 2. アミン分子rac-1-(2-naphthyl)ethylamine(rac-1)と、ジカルボン酸分子、2,6-naphthalenedicarboxylic acid(2)及び4,4'-biphenyldicarboxylic acid(3)を組み合わせることにより、超分子ホスト発光体の創製を行った。rac-1/2系超分子錯体(I)を、MeOH溶液から結晶化させることにより作成した。錯体Iは、rac-1と2による水素結合及びイオン結合2次元層状ネットワーク構造を構築しており、この層状ネットワーク構造間に、チャンネル型空孔が形成しており、ゲストMeOH分子を、一次元的に包接していた。rac-1/3系超分子錯体(II)についても同様の結果が得られた。これら錯体の固体状態蛍光スペクトルの測定を行ったところ、錯体Iは、消光することなく蛍光特性(λ_<em>=377nm,Φ_f=0.25)を示した。
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