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2010 年度 実績報告書

メカノクロミック分子集合体の一次元・二次元構造制御

研究課題

研究課題/領域番号 20750116
研究機関中部大学

研究代表者

籔内 一博  中部大学, 工学部, 講師 (80389155)

キーワードロフィン / メカノクロミズム / フォトクロミズム / 低分子ゲル化剤 / 自己組織化材料 / 水素結合
研究概要

前年度までに得られた知見を元に、一次元・二次元分子集合体を形成することが期待されるロフィン誘導体の開発を行った。今年度は特に、自己組織化駆動部位の置換位置の効果の検討に重点を置いて研究を進めた。
具体的には、4,4'-ジヒドロキシベンジル誘導体と3-ヒドロキシベンズアルデヒド誘導体を用いてロフィン誘導型低分子ゲル化剤を新たに合成した。得られた化合物のゲル形成能を調べたところ、ヘキサンや四塩化炭素、芳香族溶媒に対して低濃度の添加でゲルを形成した。そのゲル形成能は、これまでに当研究室で開発したロフィン誘導型ゲル化剤の中で最も優れており、例えばトルエンに対しては約0.3wt%程度の添加でゲルを形成することが可能であった。非対称な分子構造が結晶性の低下を誘起し、ゲル形成能の向上に結びついたと考えている。
一方、このロフィン誘導体の二量体のクロミズム現象について調べたところ、乳鉢で擦る程度の比較的小さな応力でメカノクロミズムを示すことを明らかにした。また、このメカノクロミック二量体は溶液とすることでフォトクロミズムを示すこともわかった。これまでに当研究室で開発した対称型ロフィン誘導体の二量体では、メカノクロミズムの発現には回転式高圧ずれ応力装置を使用し、少なくとも数百Mpaの大きさの応力が必要であったが、自己組織化駆動部位の置換位置を変えることで応力に対する応答性を大幅に変化させることができたといえる。
クロミズムに伴うゾル-ゲル転移などの集合構造制御は現在も検討を続けているが、今年度の成果では、低分子ゲル化剤を中心としたロフィン誘導型自己組織化材料の動的構造制御を目指す上で、有益な分子設計指針を得ることができたと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 応力や溶媒に応答する水素結合性グリオキシム錯体の自己組織化2011

    • 著者名/発表者名
      籔内一博, 本田夏美, 斎藤洋平, 井口眞, 薬師久弥
    • 学会等名
      日本化学会第91春季年会
    • 発表場所
      (震災のため紙上・Web上発表)
    • 年月日
      2011-03-27
  • [学会発表] 水素結合性ロフィン誘導体の開発:分子構造とオルガノゲル形成能の相関2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木準平, 籔内一博, 井口眞
    • 学会等名
      日本化学会第91春季年会
    • 発表場所
      (震災のため紙上・Web上発表)
    • 年月日
      2011-03-27
  • [学会発表] ロフィン骨格を有する分子集合材料の開発2010

    • 著者名/発表者名
      籔内一博, 鈴木準平, 小田直毅, 井口眞
    • 学会等名
      第14回液晶化学研究会シンポジウム
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      2010-06-28

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公開日: 2012-07-19  

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