• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

スピン転移を利用した有機薄膜素子の特性制御

研究課題

研究課題/領域番号 20750148
研究機関熊本大学

研究代表者

松田 真生  熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (80376649)

キーワード有機電子材料 / 有機薄膜素子 / 機能性分子化学
研究概要

スピンクロスオーバー錯体の薄膜を作製し有機薄膜素子に組み込むことで、スピンクロスオーバー現象(スピン転移)を利用した有機薄膜素子の特性制御を目指した。スピンクロスオーバー錯体はその劇的な色、磁性の変化からメモリーやディスプレイへの応用が期待される化合物であるが、その薄膜作製の研究は少なく、また、スピン転移を利用した薄膜素子特性制御という発想は他にない。
昨年度にはスピンクロスオーバー錯体薄膜の作製し、クロロフィルaを発光材料とする電界発光素子の特性(発光のon-off)をスピン転移で制御することに成功したが、本年度はその機構解明を主に試みた。異なる素子構造のものや発光材料をクロロフィルaとは異なるものを作製して行なった幾つかの実験の結果、スピン転移の前後でクロロフィルaの発光が消失した状態においては、注入された電子が活性層を通過する状況が生じていることが分かった。また、こうした発光のon-offスイッチング現象は用いる発光材料に依存して発現することも分かった。
現段階では、その機構の全ては明確になっておらず今後より詳細な研究を展開する必要があるが、電荷注入過程の変化やスピン転移に伴うd軌道の関与が考えられる。
本研究で得られた結果は、有機薄膜素子の特性を温度・光・磁場・電場といった外場により制御することを可能にするものであり、新しいメモリ素子やセンサーとしての利用を期待させるものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Fabrication of a spin crossover complex film2009

    • 著者名/発表者名
      松田真生
    • 学会等名
      KINKEN Workshop "Group-IV Spintronics"
    • 発表場所
      東北大学(仙台)
    • 年月日
      2009-10-05

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi