研究概要 |
本研究では色素増感太陽電池(DSC)において、従来レドックス対として用いられているヨウ素レドックス対I^-/I_3^-を臭素レドックス対Br^-/Br_3^-に変えることでの高電圧化検討を行った。この系での高性能化のためには、臭素レドックス対とTiO_2のコンダクションバンドに適合したHOMO-LUMO準位を有する新規な増感色素が必要となる。この条件に合うRu錯体増感色素としてHOMO準位が+1.31Vである(dcbpy)_3Ru(dcbpy=4, 4'-dicarboxy-2, 2'-bipyridine)を見出し、TiO_2電極や電解液などの検討により、開放電圧1.03Vかつ光電変換効率2.5%のDSCを作製する事に成功した。さらにHOMO-LUMO準位を変化させた錯体(dcbpy)_2(R_2bpy)Ruを各種合成し検討したところ、4位にHを導入した(dcbpy)_2(bpy)Ruを用いることで開放電圧1.01Vかつ光電変換効率3.5%のDSCを作製する事に成功した。
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