• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

骨誘導モチーフを導入した絹フィブロインキメラタンパクの開発と骨再生材料への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20750174
研究機関東京農工大学

研究代表者

中澤 靖元  東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (20456255)

キーワード絹フィブロイン / 骨再生 / 核磁気共鳴法 / キメラタンパク質
研究概要

本研究課題では、凝集構造を形成し、材料の骨格構造形成をする絹フィブロインと、ハイドロキシアパタイト(HAP)の各形成能を有し、材料の水溶性を付与することが期待される、BSPのキメラタンパク質材料を創製することで、新たな歯・骨再生材料を提案することを目的としている。目的の材料を創製するため、今年度は、Ca^<2+>結合性を付与した新規絹タンパクを設計、そのモデルペプチドを合成し、NMRによる構造評価から、この分子設計の確認を行った。モデルペプチドの一次構造は(AGSGAG)_4EEEEおよび(AGSGAG)_4EEEEEEEEの2種類を中心に検討を行った。
本モデルペプチドについて、ハイドロキシアパタイト吸着前後の詳細な構造を検討するため、固体NMR法による構造解析を行った。その結果、HAP添加後、Glu由来ピークのブロードニングが生じていることから、HAPとGluが特異的な相互作用を引き起こしている事を示唆している。この現象に加え、Ala残基における結晶化(β-sheet化)が著しく生じていることも明らかとなった。本結果は、機能性配列であるGlu領域とHAPの特異的な吸着が、分子構造全体を変化させている事を示しており、構造制御を行う上で、設計に関してさらなる検討が必要であると考えられるため、次年度では更に詳細な構造情報の取得を計画する。また、本ペプチドのカルシウムイオンとの相互作用を観測するため、溶液NMR法を用いた検討を行ったところ、Glu Cδピークの^<13>C化学シフトが著しい低磁場シフトを示した。固体NMR法による評価と総合して、合成したペプチドは本研究計画の目的を達成するための機能を有した設計がほぼ出来上がっていると判断した。来年度は、機能性と構造制御を自在に行う事のできる一次配列を決定し、タンパク質の生産へ発展させたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 骨・歯再生へ向けた高機能化絹タンパクの開発と評価2008

    • 著者名/発表者名
      谷岡由望, 中澤靖元, 立松謙一郎, 朝倉哲郎
    • 学会等名
      第57回高分子討論会
    • 発表場所
      大阪市立大学
    • 年月日
      2008-09-24
  • [学会発表] 絹様タンパク質とモデルペプチドの固体NMR構造解析とその応用2008

    • 著者名/発表者名
      山口恵理香, 中澤靖元, 朝倉哲郎
    • 学会等名
      第57回高分子討論会
    • 発表場所
      大阪市立大学
    • 年月日
      2008-09-24
  • [学会発表] グルタミン酸連鎖を付与した新規絹様ペプチド、 (E)n(AGSGAG)mの固体・溶液構造とバイオマテリアルへの応用指針2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤博彦, 菊池有加, 中澤靖元, 朝倉哲郎
    • 学会等名
      第57回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2008-05-29

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi