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2009 年度 実績報告書

高エネルギー重イオンが誘起するシングルイベント過渡電流の高位置分解能マッピング

研究課題

研究課題/領域番号 20760051
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

小野田 忍  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (30414569)

キーワードマッピング / シングルイベント過渡電流 / 電界効果トランジスタ
研究概要

単一のイオンが半導体に入射した時に発生するシングルイベント過渡電流(SETC)と、イオン入射位置の関係をマッピングする手法であるIPEM型TIBICの測定系構築を進めた。昨年度は、Am-241から放出されるα粒子が発光体に誘起する光を位置検出器を用いて検出することができなかった。本年度は、位置検出器の代わりに高感度冷却CCDカメラを利用して、α粒子1個が発光体に誘起する光を検出することに成功した。当該計測システムをAVFサイクロトロンのビームラインに組み込み、150MeVのArイオン1個が発光体に誘起する光を観測することにも成功した。発光の検出と同時に、Arイオン1個が半導体に誘起するイオン誘起電荷の計測にも成功した。発光検出の位置分解能が数十μmであるものの、IPEM型TIBICを実現する目途を立てることができた。一方、従来型TIBICを用いた実験では、2種類の電界効果トランジスタ(MOSFET及びMESFET)に対して高エネルギー重イオンを照射した時に、ドレイン、ソース、ゲート電極に誘起されるSETCの計測を行った。各電極にイオンが入射した時に、異なるSETCが検出された。特にMOSFETのドレイン電極やMESFETのゲート電極にイオンが入射した時、イオンの入射エネルギーから算出した電荷量よりも大きな電荷量がドレイン電極から収集されることが分かった。MOSFETの場合、ソース(n^+)-エピタキシャル層(p)-ドレイン(n^+)から成る寄生バイポーラトランジスタによる電流増幅効果に起因し、MESFETの場合、寄生バイポーラトランジスタによる電流増幅効果と半絶縁性基板の電荷蓄積効果に起因することが分かった。以上のように従来型TIBICを用いて、μmオーダーの大きさを持つ電界効果トランジスタのSETCマッピングを取得することで、SETCの位置依存性を明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Transient Response of Charge Collection by Single Ion Strike in 4H-SiC MESFETs2009

    • 著者名/発表者名
      小野田忍
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Nuclear Science 56

      ページ: 3218-3222

    • 査読あり
  • [学会発表] 単一イオンが半導体に誘起する過渡電流の計測システムの開発2010

    • 著者名/発表者名
      小野田忍
    • 学会等名
      2010年春季 第57回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      神奈川県平塚市
    • 年月日
      20100317-20100320
  • [学会発表] 単一の重イオンが6H-SiC MOSFETに誘起する過渡電流の位置依存性2009

    • 著者名/発表者名
      小野田忍
    • 学会等名
      シリコンカーバイド及び関連ワイドギャップ半導体研究会 第18回講演会
    • 発表場所
      兵庫県神戸市
    • 年月日
      20091217-20091218
  • [学会発表] Transient Response of Charge Collection by Single Ion Strike in 4H-SiC MESFETs2009

    • 著者名/発表者名
      小野田忍
    • 学会等名
      IEEE Nuclear and Space Radiation Effects Conference
    • 発表場所
      Canada, Quebec city
    • 年月日
      20090720-20090724

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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