研究課題
本研究の目的は、高レイノルズ数3次元非圧縮性乱流における、ウェーブレット解析に基づく非経験的なモデル化(CVE)手法を開発、大規模データ解析・大規模数値シミュレーションによるモデルの検証、及びその信頼性の定量的評価を行うことである。平成20年度に得た成果の概要を以下の1、2に示す。1. 最も規範的な乱流である3次元一様等方性乱流に対して行った、CVE手法による自由度を縮約した大規模数値シミュレーションの信頼性を、フーリエスペクトル法による大規模直接数値計算(DNS)結果を参考場に用いて評価した。CVE手法はDNSの約6分の1の自由度だけ保持しているにもかかわらず、乱流の渦度の分布の時間発展をもよく再現することがわかった。2. 従来のCVE手法を電磁流体乱流に適用するため、CVE手法を一般化し、新たに秩序渦・電流シート抽出(CVCE)手法を提案した。CVCE手法を、規範的乱流場のひとつである周期箱中の3次元一様等方性電磁流体乱流の比較的小規模のDNSデータに対して適用し、抽出された秩序構造が乱流場をよく再現していることが確認された。これらの結果により、CVE手法が、様々な高レイノルズ数乱流の計算に有望であることを示唆している。また、得られた成果は計算科学的乱流モデルの開発、特に乱流の適合格子シミュレーション手法による乱流モデルの開発を可能にする最も基礎的なもののひとつとして重要であると期待される。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (10件)
Physical Review E 79
ページ: 026303-1-026303-5
Journal of Turbulence 9, No.45
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Proceedings of International Symposium on Frontiers of Computational Science 2008, Kaneda, Sasai Tachibana (Eds), CD-ROM
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Proceedings of International Symposium on Frontiers of Computational Science 2008, Kaneda, Sasai, Tachibana (Eds), CD-ROM
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