材料中のミクロなスケール(原子・分子スケール)において原子・分子間の相互作用ポテンシャルの非線形性によって出現する特異な局在振動の構造およびダイナミクスの解析を行った。特に理想的な2次元炭素構造体であるグラフェンシートに着目し、原子運動のシミュレーション(分子動力学シミュレーション)と方程式の数値手法を組み合わせて炭素-炭素結合に現れる非線形振動の探索および構造の解析を行った。さらに局在振動の安定性解析を行い、局在構造の不安定化時の初期的なふるまいを示した。以上の結果より、局在振動が炭素-炭素結合の切断や再結合など、原子・分子構造における構造変化におけるトリガーとなりうることが示唆される。
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