研究概要 |
境界節点法(BNM)はメッシュレス法の一種であるため,前処理として対象領域を要素の集合に分割する必要がない.これは入力データを著しく簡素化できることを意味している.しかしながら,積分を数値的に評価する場合,他のメッシュレス法と同様に積分領域を積分セルの集合に分割しなければならない.この操作には要素分割とほとんど変わらないコストが伴うため,メッシュレス法の利点を著しく損なってしまう.近年,コンピュータ・グラフィックスの分野では,物体表面を陰関数によって表現する方法が注目を集めており,多くの優れた研究成果が生まれている.同法では,物体表面上にある節点データを用いて物体表面の形状を再現している.それ故,陰関数曲面法をBNMに適用すれば,BNMの欠点を完全に解消できる可能性がある. これまでの研究によって,積分セルを用いない2次元境界節点法(X-BNM)の開発し,二重相反法(DRM)と比較することによって,同法の性能を評価してきた.この結果,X-BNMはDRMより高精度な解が得られることが示されただけでなく,X-BNMはDRMとほとんど同じ計算速度を示すことも判明した.また,従来のX-BNM法で使用されてきた形状関数は弧長に沿って周期的な関数になるように重み関数を決定していたが,形状関数をローカルな領域でのみ成り立つように改良した結果,X-BNMの簡素化にも成功した.
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