平成21年度は以下の3項目について取組み、それぞれ以下のような研究実績を得た。 研究(1)化学ポテンシャル制御型機械的特性評価装置の開発と機械的特性の評価 機械的特性評価装置の変位制御機構の改良を行い、評価装置が完成した。これにより、本装置により高温・酸素分圧制御下において引張、圧縮、疲労の各試験が可能になり、新エネルギー変換デバイス構成材料の機械的物性評価が可能となった。 研究(2)化学拡散係数の精密測定 熱天秤、電気化学的測定を併せて化学拡散係数の精密測定が可能となった。これにより、測定資料の化学状態を確認することができるため、定常状態の機械的特性を評価することが可能となった。 研究(3)化学ポテンシャル制御雰囲気下での機械的特性の評価 酸素欠陥量が変化するセリア系酸化物と欠陥量の変化がないジルコニア系酸化物材料の機械的特性評価を行い、酸素欠陥が機械的特性に及ぼす影響を世界に先駆けて明らかにした。これにより、酸素欠陥量が弾性率に大きな影響を及ぼし、破壊強度には影響が小さいことがわかった。
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