• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

転位の離散的特性を考慮した非局所結晶塑性理論の構築とマルチスケール解析による検証

研究課題

研究課題/領域番号 20760069
研究機関名古屋大学

研究代表者

奥村 大  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (70362283)

キーワードひずみこう配理論 / 転位論 / マルチスケール解析 / 離散転位動力学法 / 有限要素解析
研究概要

今年度の研究では, 非局所結晶塑性理論を用いた多結晶金属の解析を検証するために, 離散転位動力学に基づく均質化理論の構築を行った. この構築では, 周期複合材料を考え, 母材中では転位が運動することを許し, 問題を設定した. この問題は, 2つの状態に分けられ, それぞれの状態について境界値問題を検討した. まず, 状態1の問題は, 強化材を母材で置き換えた無負荷状態において, 転位による内部応力が作用している問題であり, 検討の結果, 転位の作る弾性場は巨視的応力には寄与せず, 巨視的ひずみには転位の運動によるすべりのみが寄与することがわかった. 次に, これらの関係式と状態2の問題を考えることによって, 最終的に解析すべき均質化方程式を導いた. 導かれた均質化方程式は, 従来の弾性周期複合材料のための均質化方程式を内在しており, また強化材を母材に置き換えれば, 従来の無限体中の周期単位を解析するための離散転位動力学計算の数理構造と等価であることがわかった. 双方との等価関係より, したがって本研究で構築した理論は妥当であるといえる. なお, 均質化方程式に含まれる2つの弱形式の境界値問題は, 強化材の存在による擾乱変位と強化材と転位の相互作用による擾乱変位をそれぞれ求めるために有限要素解析される. 最後に, 複合材料モデルを実際に解析した. ただし, この解析は2次元問題であり, 今後はより転位の力学特性を考慮することの可能な3次元問題にプログラムを拡張する計画である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Grain-size dependent yield behavior under loading, unloading, and reverse loading2008

    • 著者名/発表者名
      N. OHNO, D. OKUMURA, T. SHIBATA
    • 雑誌名

      International Journal of Modern Physics B 22

      ページ: 5937-5942

    • 査読あり
  • [学会発表] Homogenization framework for discrete dislocation plasticity simulation2009

    • 著者名/発表者名
      Dai OKUNIURA
    • 学会等名
      The 15 th International Symposium on Plasticity& Its Current Applications (Plasticity 2009)
    • 発表場所
      St. Thomas Ireland(U. S. V. I. )
    • 年月日
      20090103-08
  • [学会発表] Theory and simulation of size-dependent plasticity2008

    • 著者名/発表者名
      Dai OKUMURA
    • 学会等名
      The third Nagoya University- UCLA International Symposium (NUCLA 2008)
    • 発表場所
      Nagoya University
    • 年月日
      20081208-09
  • [学会発表] 離散的な転位挙動を考慮した均質化理論の枠組み2008

    • 著者名/発表者名
      奥村大
    • 学会等名
      第21回計算力学講演会
    • 発表場所
      琉球大学(那覇)
    • 年月日
      20081101-03

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi