研究概要 |
本申請研究は「揺動制御ラッピング方式による大口径ワークの高平坦化をも包含した超精密任意形状創成技術」を開発することを目的としている. 本目的達成のために平成20年度に実施した事柄は次のとおりである. 〈1/3期〉スラリーフローの解明と研磨特性との関係解明 揺動制御ラッピング方式におけるスラリーフローについて, スケルトン(透明)型の模擬小径工具を用いて実験検証を行った. すなわち, 各条件下によってスラリーフローは大きく変化し, 特に, 大口径ワーク中心と工具中心間の量(オフセット)によってスラリーフローは大きく変化することを明らかにした. 〈2/3期〉小径工具がワークをオーバーハングする際に発生する圧力分布変動の解明とその影響を考慮に入れた研磨シミュレーションの開発 ワーク全面を小径工具によって研磨する場合, 小径工具をワークからオーバーハングさせる必要がある. オーバーハングさせることによって, 当然, 小径工具とワークの間の接触面積が変化することから, それに起因して圧力分布も変動する. そして,本検討内容について, 有限要素解析, 並びに実験検討を行うことを通じて圧力分布変動を解明した. そして, それを考慮した研磨シミュレーションプログラムを開発した. 〈3/3期〉上記結果を制御研磨に適用したワーク全面制御研磨の達成 上述の結果を基に,大口径ワーク全面に亘る形状制御研磨を実施した. 特に任意形状を定め検討した結果, ミクロンオーダでの形状制御研磨を可能にすることを示した.
|